これまでHSL-49 スコーピオンズとHSL-51 ウォーローズの2機の制作を同時に紹介してきましたが、今回からは片方づつ紹介していきます。
今回の記事では、ウェザリングとデカール貼りの様子を紹介していきます。
前回の製作記(③塗装編)をご覧になりたい方はこちらをどうぞ。↓
油絵具によるウェザリング
ウェザリングには、これまでタミヤのウェザリングマスターを主に使用していましたが、今回は油絵具にチャレンジしたいと思います。
油絵具を使った戦闘機のウェザリングテクニックはScale Aviation(スケールアヴィエーション)の2023年1月号にてSA誌モデラーの林周市さんのテクニックがDVD付きで紹介されており非常に参考になります(少し価格が高いですが戦闘機のウェザリングを行う上では必見です)。
油絵具は高いものから安いものまでピンキリで、どれを選べばよいか正直分からなかったので、今回は試しに使ってみようということでリーズナブルなOhuhuという中国のメーカーのものを選択。戦闘機に使用する場合は、グレー系や茶系の色が複数種類あると便利ですので、36色セットにしました。
油絵具を希釈したり使用した筆を洗う場合には、テレピン油(ターペンタイン)かぺトロールという揮発性油を使用します。
褪色感を表現するため、ホワイトとグレーを少し混ぜた油絵具を筆に軽くつけて、筆先で塗装する箇所にトントンと塗料を載せていきます。
その後、綿棒を使って、こするように塗料をなじませていきます。油絵具は非常に粒子が細かく非常に自然な仕上がりになるのと、乾くスピードが遅いので、しっくりくるまで何度も微調整が可能です。
機体上面のウォークウェイや機首も同様に褪色感を出しておきます。
実機の写真では、胴体のところどころ(エンジンの下部側面など)がオイル汚れなのかサビのような色で汚れているほか、エンジン後方はススのような汚れが目立ちますので、写真を参考にエンジンの下部などは茶系、エンジンの後方は黒系の絵具でウェザリングを行います。
実機の写真:https://www.airliners.net/photo/USA-Navy/Sikorsky-SH-60B-Seahawk-S-70B-1/1207555/L
一通り油絵具を使ったウェザリングを終えたら、ツヤ有りのトップコートを行い、塗膜を保護します。この後も引き続きウェザリングを行っていきます。
デカール
キットに付属するデカールはかなり古いので、ひび割れにより水に付けた後に粉々になる可能性が高いため、マイクロスケールのリキッドデカールフィルムを塗って修復しておきます。このリキッドデカールフィルムを塗ると、デカールの表面に薄い膜を形成し、デカール割れを防いでくれます。
SH-60Bの尾翼周辺は、凹凸があるためデカールを凹凸になじませる必要があります。あらかじめデカールを貼る箇所にマークセッターを塗っておき、デカールを貼った後に、デカールの上からマークソフターを塗りデカールを軟化させます。
一度に、デカールをなじませようとせず、時間をかけて何回もマークソフターを塗り、デカールを軟化させながら綿棒を使って徐々に機体の形状になじませていきます。
マークソフターを使用した場合は、デカールが破れやすくなりますので、丁寧且つ慎重になじませていきます。
機首に付いているアンテナのカバーのような部分はデカールで用意されていますが、デカールの出来が良くなかったため、急遽塗装で仕上げることにしました。
全てのデカールを貼った後、次の塗装のために「Mr.カラーGX スーパークリアーⅢ UVカット 光沢」でトップコートを行い、デカールを保護しておきます。
ウェザリング(2回目)
デカールを貼った後、デカールの各種マークに少し褪色感を出すために油絵具を使用し、デカールの上から薄い灰色を塗り、綿棒でなじませていきます。
エンジンの下面や後方は、少しサビのような汚れがありますので、ブラウン系の油絵具を用いてウェザリングを行います。
油絵具をなじませた後は、Mr.ウェザリングカラーのマルチブラックやマルチグレー使って、パネルライン等に墨入れを行っていきます。ウェザリングも併せて行いますので、パネルラインを大きくはみ出るように色を乗せていきます。
ウェザリング完了後の胴体↓
ローターのブレードには、油絵具のブラウンやブラック、グレーを使ってラフに色を乗せ、綿棒でなじませます。
窓部分のパーツのマスキングを外した状態↓
組立&完成
窓部分のパーツやローターのパーツを取り付けて、ようやく完成です。
窓部分のパーツはタミヤの多用途接着剤(クリヤー)を使って接着しています。
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